多くのブースは「見せるもの」として設計されています。成果が出るブースは「やってもらうもの」として設計されています。来場者が会場で過ごす時間は約5.5時間。ブースが奪い合っているのは注目ではなく「分」であり、その分を獲得できるのは結果が目に見える体験だけです。
競合は隣のブースではありません
来場者が会場全体で過ごす時間は約5.5時間とされています。基調講演、もともと予定していた商談、昼食、ホール間の移動を差し引くと、すべての出展社に配分される時間は2時間を切ります。
この数字は企画の前提を変えます。ブースは隣より目立つことを競っているのではありません。すでに使い道の決まっている時間から、4分を分けてもらうに値するかを問われています。
しかも通路を歩いているのはほとんどが初対面です。来場者の約3分の2は、出展企業にとって新規の見込み客であり、挨拶に来た既存の取引先ではありません。誰もあなたを探してはいないのです。
人は「見るもの」ではなく「やること」で足を止めます
ループ再生の映像は見るものです。来場者は一瞬でカテゴリーを理解し、そのまま歩き続けます。やることがなく、留まる理由がないからです。台の上に置かれた製品も同じ振る舞いをします。
体験は違います。始まりがあり、終わりがあり、本人に見える結果が残ります。タイム、スコア、自分が作ったもの。その結果こそが、視線を「停止」に変え、停止を「会話」に変えます。営業が冷たい状態から切り出す必要のない会話です。
ブースが主役ではありません。その中で起きていることが主役です。
行列は失敗ではなく、それ自体が広告です
行列は処理能力の不足だと考えがちです。展示会場では逆です。人の列はホールの反対側からでも読み取れる唯一のサインであり、競合が一晩で真似できない唯一の要素でもあります。
会話の質も変わります。並んだ人は「待つ価値がある」と自分で判断しています。営業は説得をやめて見極めに入れます。これは別の仕事であり、はるかに短い仕事です。
予算を確定する前に企画を見極める五つの問い
現場で失速する企画のほとんどは、紙の段階で見えていた理由で失速します。判断を決めるのは次の五つです。
| 確認する点 | なぜ結果を左右するのか |
|---|---|
| 結果は残るか | タイムやスコアがあれば、最後までやる理由と人に話す理由が生まれます。結果がなければ立ち止まる理由もありません |
| 1回は何分か | 5分を超えると誰も並ばない行列ができます。1分未満では会話が生まれません |
| 遠くから見て分かるか | 10メートル先から何が起きているか分からなければ、その体験は目の前に立った人にしか効きません |
| 何を持ち帰るか | タイム、ランキング順位、写真。それがブースを会場の外、来場者のスマートフォンへ運びます |
| 誰が運営するか | エースの営業担当が運営しなければ回らない企画は、エースを通路から外した企画です |
レーシングシミュレーターがこの課題に選ばれ続ける理由
ホットラップは、構造上この五つをほぼ自動的に満たします。タイムという結果が出ます。1回は2〜3分で、意味を持つには十分、並ぶには短い長さです。人が運転している様子は一目で伝わるため、ホールの反対側からでも読めます。ランキング順位という、来場者が守りたくなるものが残ります。同じブースに二度来てもらえる理由は、実質これだけです。そして運営するのは営業ではなく進行役です。
これはシミュレーターだけが答えだという主張ではありません。五つの条件が何を選び取るかという話であり、この条件を満たす企画であれば、条件を一つも満たさない美しいブースより必ず成果を出します。
成功を判断する数字
来場者数は集計が簡単なので報告されます。同時に、混雑した通路と成功したブースを区別できない数字でもあります。
二つの数字のほうが役に立ちます。一つは、足を止めた人が実際にどれだけ滞在したか。滞在時間は、その体験が人を引き留められたかに最も近い指標です。もう一つは、何人が誰かを連れて戻ってきたか。会場の中で口コミが起きたことを示せる数字はこれだけです。
よくある質問
- 展示会ブースに人を集めるには何が必要ですか
- 結果が目に見える体験です。来場者が足を止めるのは、タイムやスコアのように自分でやって終えられるものであり、見るだけの展示ではありません。展示は一瞬で理解され、留まる理由を与えないからです。
- 展示会の来場者は会場にどれくらい滞在しますか
- 会場全体で約5.5時間です。その時間は、すべての出展社、参加予定のセッション、既に入っている商談に配分されます。つまりブースは注目ではなく「分」を奪い合っています。
- ブースに行列ができるのは問題ですか
- 問題ではありません。行列はホールの反対側からでも読み取れる唯一のサインであり、最も真似しにくい要素です。並んだ人は自分で価値を判断しているため、営業は説得ではなく見極めから始められます。
- 来場者数以外に何を測るべきですか
- 二つあります。足を止めた人の滞在時間と、誰かを連れて戻ってきた人数です。前者は体験が人を引き留めたかを示し、後者は会場内で口コミが起きたことを示す唯一の数字です。
出典
- A trade show attendee spends about 5.5 hours at the event in total. Trade Show Labs, Trade Show Statistics (attributed to Display Wizard, Freeman, CEIR and Facetime)
- 67% of trade show attendees are a new prospect for the exhibiting company. Trade Show Labs, Trade Show Statistics (attributed to CEIR, Display Wizard and Exhibit Surveys)